【副業解禁】公務員の新たな働き方の可能性と展望

現在、話題になっている企業による副業や兼業の解禁。

この副業兼業の解禁について、皆さんは普段どのように感じられているでしょうか?

今まで本職でしか稼ぐ手段のなかった状況が、平日の夜や土日など空いている時間を活用することで、単発バイトや日雇い派遣、スマホやパソコンを活用した在宅での内職やネットでのアンケートによるポイント収入など、どこでも場所を選ばずに報酬を得られる手段が各段に拡がってきました。

私は今後の日本の行く末を左右する大きなトピックであると感じており、非常に興味深く動向を見守っています。

特に最近議論され始めてきた公務員の副業兼業解禁の動きは、今までの固定観念を覆す試みであるために、大きな進歩であると考えています

現在日本は世界の中でも課題先進国と称されており、高齢化と少子化、さらには急激な人口減少という事態に見舞われています。

それにより企業は人手不足が深刻化しており、こういった事態を少しでも打開するには労働者1人あたりの生産性を少しでも上げていくか、または日本国外から労働力を確保する以外に道はありません。

そのため、今まで堅く禁じられてきた法律を変え柔軟な姿勢で解決策を検討され始めていることは、個人的にとても良い流れであると感じているのです。

私は副業が解禁される以前より副業を行っていますが、副業や兼業は個人の可能性だけでなく企業の業績も向上させることができる非常に良い制度だと思っています。

企業側にとっては社員を業務に専念させられないことがデメリットだと言われますが、逆に、他の企業に触れることで成長を見込める可能性があります。

社員の成長から会社内でダイバーシティが活発化することを考えると企業に大きな恩恵をもたらしますし、社会全体の視点で考えても労働力の確保や生産性向上に繋がる可能性も高いためです。

もしも、この輪が公務員に完全に拡がれば、公務員と役所の双方にメリットをもたらし社会全体に更なる恩恵をもたらすことと考えています。

今回はそのような可能性の大きい公務員の副業兼業の解禁について、将来日本社会に与える影響や、具体的にどんな解禁が検討され、どんな事例が出始めているのか詳しく解説していきたいと思います。

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公務員が副業禁止されている理由

まず、どうして公務員が副業禁止されているのか、理由をしっかりと把握されているでしょうか。

公務員が副業禁止されている理由は、公務員の働く目的が深く関係しています。

公務員の目的は国民全体の生活のために働き、公益活動を通じて生活をより良くしていくことにあります。

それは地方公務員法、及び国家公務員法でも規定されており、副業や兼業は公益活動にあたらないと考えられ営利目的の活動をすると法律で罰せられてしまうのです。

具体的には、法律では以下を損なう行為に繋がるリスクがあるために副業兼業を禁じています。

・信用失墜行為の禁止
・秘密を守る義務
・職務に専念する義務

公務員は基本的に国民の信用を得て、その信用を元にして公益活動に従事することが求められます。

国を運営していくための財源は税金であり、これは国民の納税によって支えられています。

国民の生活を支えるために働くことを掲げながら営利目的の活動をすることは矛盾しており、国民の信頼を行うことに繋がってしまうと国の運営が成り立たなくなる可能性があるために、法律で禁じられているのです。

また、公務員は国家機密となる情報を扱っていることも多く、副業や兼業を通じて漏洩するリスクもあります。

情報漏洩も国の運営に支障を来しかねないため、リスクを極力軽減するためにも法律で禁じています。

最後に、職務に掛ける時間が損なわれてしまうリスクです。

公務員は、災害時など国民の生活が脅かされている際には例え休みであっても出勤しなければなりません。

それはいつ発生するか分からず突然招集される可能性が高く、副業や兼業で招集できなければ国民の生活が脅かされる可能性があるために法律で禁じられています。

このように、国を運営していくためにリスクのあることは法律で禁じられており、副業や兼業はそのリスクを脅かしかねないために禁じられているのです。

以上より基本的には副業禁止されている公務員ですが、予め許可されている副業もいくつかあります。

株やFX、小規模の農業や不動産の賃貸経営などの副業は許可されており、申請さえ行えば公務員でも行うことができます。

これは、株やFXは副業という位置づけではなく、資産運用にあたるためであり、小規模農業や不動産賃貸経営は、家庭の事情で相続せざるを得ないケースがあるためです。

例えば、兼業農家の場合には、親から子供へ田んぼや畑を相続するケースが一般的ですし、一定規模の範囲で許可しないわけにはいかない事情があるのです。

また最近では、明確に許可することを規定はしていないものの、趣味の延長線上と認められることで活動を許されている副業も出始めています。

作家活動はまさにその典型的な事例であり、過去に実際に作家としてデビューした公務員の判例も多くあります。

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公務員の副業解禁の流れ

公務員の副業は、基本的に法律で副業禁止が規定されており一部の副業しか認められていないのが実情ですが、この流れが徐々に変わってきているのが近年の動きです。

昨年の6月、『未来投資戦略2018』が閣議決定されました。

その中では、現在規制が強い公務員の副業兼業についても触れており、公益的活動等を行うための範囲であれば副業兼業を認める内容になっています。

今までの解釈では、基本的に労働力の対価として報酬を受け取ることは断じて禁止されていたのですが、今回の閣議決定を受けて、例えばNPO等、公益活動と認められる内容での労働であれば報酬を受け取ることを認めています。

具体的には以下のように改正されました。

・基本的には、「公的活動と認められない業務」における副業兼業は今まで通り認められない
・2018年6月の閣議決定により、NPOでの活動等、非営利目的で地域活性化等の従事する団体での活動については、例えその活動に報酬が発生しても認められる

このようにNPO等のように非営利目的の機関と認められる団体での副業兼業においては、例え労働の対価として報酬を享受しても認められることになります。

ここで、副業兼業が許可される明確な基準となるのが、「公益活動であるか否か」という点です。

公益活動は、一般的に解釈される定義として以下のように定められています。

公益活動
公益活動という言葉を広く社会一般の利益のための活動と解すれば、公益活動は三つの主体によって行われている。
一つは行政という公的な機構を通して行われる国民全般の福祉を図る公的活動であり、その二は、企業による商品やサービスの提供というという営利活動の結果として間接的に図られる福利増進活動である。
第三は行政でも企業でもない私的な機構ではあるが、利潤追求を目的としない組織を通して直接に社会福祉や文化の向上を目指す社会的活動である。
この三番目の民間による公益活動がチャリティ又はフィランソロピーと呼ばれるもので、普通、公益活動といえばこれを指す場合が多く、その担い手である組織や機構を第三セクターと呼んでいる。

出典)Weblio辞書

今回の副業兼業の解禁で語られる公益活動は、上記の定義の最後の部分「第三セクター」と呼ばれる機関に該当します。

非営利目的で活動している第三セクターとは、例えば以下における法人です。

・一般社団法人
・一般財団法人
・NPO法人
・公益財団法人

上記の法人で副業を行う場合には、その活動の対価として報酬を受け取ったとしても副業兼業における収入として認められることになります。

このように、まずは公益活動における公務員の副業や兼業の解禁が現実のものとなっており、徐々に、確実に、サラリーマンであっても公務員であっても副業や兼業が行える時代が到来し始めているのです。

副業解禁の背景

日本政府が企業に続いて公務員の副業まで矢継ぎ早に解禁したのには理由があります。

それは、将来確実に訪れるであろう人口減少、労働力減少という問題が背景にあります。

今や、人口減少や労働力不足は日本社会でも大きな問題として取り上げられ始めています。

地方を中心に転入人口よりも転出人口が上回っており、各県が移住支援に関するプロモーションを必死に展開しています。

人口が減れば労働力が減少するため、消費も落ち込みます。

そうなると地域経済は縮退し、ますます人がいなくなってしまう負のスパイラルに陥ってしまいます。

この状況を改善する手段としては大きく3つが挙げられます。

1:外国からの労働者や移住者の受け入れを拡大する
2:生産年齢人口の未就労者の労働参加を促す
2:労働者1人あたりの生産性を向上させる

このうち、1について、実際に単純労働者の受け入れ拡大施策が進められており、今後日本で働く外国人労働者が増えていくことが想定されます。

しかし、大幅な受け入れ拡大は日本の治安悪化にもつながる懸念があり、日本全体の治安維持のために人口減少に匹敵するほどの受け入れを拡大する可能性はあまり高いとは言えないのが現状です。

そこで、2つ目として、働けるものの働いていない未就労者の労働参加を促す施策が考えられます。

具体的には、主婦や高齢者の労働参加促進です。

女性活躍推進で日本の女性就業率は飛躍的に向上してきました。

しかし、先進国と比較すると、日本は20代後半から50代前半の女性就業率が各段に下がることが分かっており、この年代の女性就業率を向上させることが大きな課題となっています。

並行して確実に必要になるのが労働者1人あたりの生産性向上であり、これには現在働いている労働者の更なる労働意欲を向上させるか、または働いていない生産年齢人口の労働参加を促すかしかりありません。

そこで、地域に根差して取り組む行う地方自治体を始めとした公務員が公益活動を通じて副業兼業ができれば労働力不足の現状を打破する打ち手の1つになる可能性があります。

公務員も自らの業務の延長線上で活性化に紐づく活動を行い、且つ報酬を得られるのであればやらない手はありません。

そのため公務員の副業兼業解禁は、地方公務員と地方経済の双方が活発化し得る可能性があるために、各地域で積極的に採用され促進されることが望ましいでしょう。

公務員の副業解禁を推進している自治体

このように、6月に閣議決定された公務員の副業兼業の解禁ですが、国が解禁をいくら宣言したとしても各自治体が積極的に動いていかなければ、副業に取り組む公務員も増えていきません。

以下の自治体は、この解禁を機に既に取り組みを進めている先進的な自治体です。

・神戸市
・奈良県生駒市
・宮崎県新富町

その中でも上記の3自治体は特に話題に上がっており、いずれも副業兼業の促進を目的として活動を進めています。

神戸市、生駒市は公共性のある組織での副業を促進することをプレスリリースでも公表しており、メディアを通じて大々的に展開を図っています。

このように、公務員が副業兼業を行うことを大々的に許可し動き始めている自治体もいくつか出始めており、今後はこの事例を参考にして日本全国で同様の取り組みが拡がっていくことが想定されます。

神戸市

公務員の副業、兼業の解禁において、先駆けとなった自治体は神戸市であると言われています。

「地域貢献応援制度」として副業容認のために新たな基準を設けた動きを推進し、公務員の副業推進の流れを作り出しました。

具体的には、NPO法人などの第三セクターによる副業を許可し、一定の報酬を受け取りながら活動することを応援、推進しています。

このように積極的に職員の副業や兼業を許可していく背景としては、活動を通じた職員の能力向上や視野の拡がりを挙げており、現状の日本の問題点を察知して早くから行動し改善を図ろうとしていることが分かります。

奈良県生駒市

生駒市も神戸市同様に、これまでは職員が職務外に報酬を得て地域に活動に従事することに対して明確に基準を定めてこなかったため今回の取り組みで基準の明確化を行っています。

具体的には、以下の様に明確を行っています。

■対象とする活動
・公益性が高く、継続的に行う地域貢献活動であって、報酬を伴うもの
・生駒市の発展、活性化に寄与する活動であること
■対象者
・在職3年以上の職員
■許可基準
・勤務時間外、週休日及び休日における活動であり、職務の遂行に支障を来さないこと
・報酬は、地域貢献活動として許容できる範囲であること
・当該団体と生駒市との間に相反する利害関係が生じることがなく、かつ特定の利益に偏るなど職務の公正の確保を損なわないこと
・生駒市内における活動であり、生駒市の発展・活性化に寄与する活動であること
・営利を主目的とした活動、宗教的活動、政治的活動、法令に反する活動でないこと

今までは民間企業や第三セクターが主体となって進めてきた地域活性化に対して、市の職員も副業兼業を通じて参加できる枠組みを拡げていくことで、民間企業の様々な考え方や知識を吸収し官民一体となって取り組んでいくことのできる体制を作ろうとしています。

これによって、地域活性の取り組みが官民の壁を超えた取り組みとして一層盛り上がっていくことが期待でき、人材の転入や更なる雇用の創出など将来的に大きなリターンを生み出せると考えられています。

宮崎県新富町

神戸市、生駒市は市役所として副業、兼業の推進を発表していますが、町役場も副業に関心を持っており取り組みを進めています。

その先駆けとなって発表したのが宮崎県の新富町です。

神戸市や生駒市同様に、NPO法人などの活動における報酬受け取りの許可や地域活性に繋がるボランティア活動の職員の参加促進を図っていくことで、官民協働の地域活性化、及びより良い街づくりを推進しようと試みています。

副業での民間人材の登用を推進している自治体

上記で紹介した神戸市、生駒市、新富町は現在役所に勤めている職員を対象として副業の推進を発表していますが、少し異なるアプローチで副業兼業の推進を図ろうとしている自治体も出てきています。

それが以下の自治体です。

・広島県福山市
・大阪府能勢町
・北海道余市町

いずれの自治体も、各地の地域活性化を本気で推進しようとしている自治体であり、副業や兼業は職員だけでなく外部から招き入れてでも推進していくべきという考えを持っています。

現職の公務員の副業解禁という枠組みとは少し異なるものの、今まで民間で培った知識やスキルを公務員として活かせることは非常に面白い働き方であると言えるでしょう。

またそのような新しい風を役所内にもたらしていくことができれば、現職の公務員も新たな刺激を受けたり、副業にどんどん関わったりと良いシナジーを生んでいく流れが期待できます。

広島県福山市

広島県福山市は民間の求人サイトを活用した上で、副業で働く公務員を公募形式で募集しています。

求人の概要は以下となります。


・副業、兼業で働く職員を募集
・雇用形態は業務委託
・勤務形態は週に数時間、数日程度


この募集における主なターゲットは、民間企業で実績を挙げているプロフェッショナル人材であり、現在民間企業で働きながらも福山市の職員として働くことが可能な人材です。

公務員の副業を推進した上で地域の活性化を図っていくには地域全体の課題を考えた上でプロジェクトを進めていくことのできるスキルや知識が必要になります。

現職の職員の副業や兼業を解禁して能力向上や知識の獲得を見込んだとしても、ベース作りから始めねばならないために、非常に時間が掛かることが想定されます。

そこで、加速度的にスピードを高めて活性化を推進すべく、民間で活躍している人材をターゲットに招き入れてそのベースを一気に築いてしまおうというのが福山市の狙いなのです。

本案件はハイクラス向けの転職サイト「ビズリーチ」にて掲載され、民間企業のマーケティング担当者やコンサルタント、新規事業の責任者など、プロフェッショナル人材を中心にかなりの応募が集まったことが伝えられており、官民含めて非常に関心の高い取り組みとなりました。

神戸市が職員の副業、兼業解禁の先駆けとなったように、福山市も外部人材を登用しての抜本的な副業、兼業解禁の先駆けとなったと言えるでしょう。

大阪府能勢町

福山市の取り組みを機に日本各地で続々と同様の取り組みが発生しています。

大阪府能勢町では、日本初の大規模農地改革を挑むことをテーマに掲げて、外部から戦略プロデューサーの募集を行っています。
※募集期間:2019年7月11日(木)〜 2019年8月7日(水)

求人の概要は以下の通りです。


・「能勢町産業化推進プロジェクト」に向けた具体的方策の企画やプロジェクトのマネジメントが業務内容
・副業、兼業で働く職員を募集
・雇用形態は業務委嘱契約
・勤務形態は週に数時間、数日程度
・1回の勤務の報酬は20,000円(最大30,000円)


こちらの案件も福山市同様、ハイクラス向けの転職サイト「ビズリーチ」で掲載されており、既に多くの関心が集まっているようです。

北海道余市町

大阪府能勢町と同様に、北海道の余市町でも似たような求人が行われました。

北海道余市町は、元外務省出身の若手町長が就任したことでも有名な町であり、様々な企業の経営者が訪れ始めています。

しかし、他の多くの自治体同様の課題を抱えており、人口減少によって消滅可能性都市の1つに数えられている現状があります。

その事態を脱却すべく、余市町の「戦略推進マネージャー」が募集されたのです。
※募集期間:2019年7月3日(水)〜 2019年7月30日(火)

求人の概要は以下の通りです。


・余市町のブランド戦略の立案/遂行、広報戦略の策定/実行が主な業務内容
・副業、兼業で働く職員を募集
・雇用形態は業務委嘱契約
・勤務形態は週に数時間、数日程度
・月4日程度の勤務で報酬は交通費込みで140,000円(1日25,000円)


こちらの案件も福山市、能勢町と同様にハイクラス向けの転職サイト「ビズリーチ」で掲載され、多くのプロフェッショナル人材からの応募が集まったようです。

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公務員の副業に関する未来

公務員は昔から就職ランキングにも上位を連ね、雇用の安定性やボーナスや収入の高さ、場合によっては英語を使う海外の仕事にも従事できるため、その社会貢献性の高さから人気を博しています。

実際に過去数年間の実績ではボーナスも約4.5か月分支給されており、額面に換算すると100万円以上を手にすることができる上、勤続年数に応じて高額な年金も手にすることができ、公務員試験というハードルがあったとしても不動の人気を誇っています。

しかし、冒頭でも説明したように、これからは人口減少や労働力減少を鑑みると公務員であったとしても安泰とは言い切れず、この状況が一変する可能性も大いにあります。

途中で状況が変わり転職を決断しようにも、公務員という特殊な立場であるため年齢が30歳未満であるなど、若くない限りは非常に難しく転職市場では不利な立場になる可能性が高いでしょう。

このように、今のうちから自分の働き方を模索しておかなければ、転職は有利とは言い切れないため、一度立場が危うくなったら仕事を失ってしまう危険性をはらんでいます。

現在、現職の公務員が副業や兼業で報酬を貰いつつもスキルや知識を伸ばすことのできる時代になってきています。

またそれだけでなく、民間人材の幅広い登用制度の導入も既に行われて始めています。

今回の閣議決定では、あくまで公務員は公益活動に従事するものとし、且つ非営利目的であることを基準として明確化してありますが、これはあくまで公務員が副業兼業を行う上での第一歩目に過ぎないでしょう。

将来的には民間企業同様に規制が緩和され公務員の働き方の多様化が益々進んでいくはずです。

国が今後地域活性化を推進するために副業兼業を解禁し労働力の担保を強化していきたいのであれば、公務員や民間企業に拘る理由はもはやありません。

労働力は1人でも欲しい昨今、そこで制限を設けてしまうことで本来確保できる労働力が失われてしまうことはデメリットでしかないはずです。

将来的にはこの労働力の確保は深刻化する未来がかなりの確度で推測されており(2030年には今より1,000万人減少)、公務員の働き方の定義を見直さなければ、国の運営が立ち行かなくなるでしょう。

今回は第一段階、第二段階は地方自治体の責務である公益活動を行うことを必須としつつ、それ以外の副業兼業については営利目的等に依らず認められる業務の幅が拡がるくらいの緩和であれば実現可能性は高いことが考えられます。

これから日本社会は、企業や自治体を前提としてフォーカスされてきた時代は終わり、もっと個人の働き方の多様化にフォーカスされていくことでしょう。

そして、個人が多くの働く選択肢を持ち可能性を拡げることのできる社会になっていくことで、個人の生産性向上や地域経済の発展に繋がっていくのです。

少しでも将来の自分の働き方に多様性を持たせたい公務員は、少しずつでも副業や兼業を通じて働き方の模索を行っていくことをおすすめします。

公務員が副業で稼いだ際に行うこと

公務員が副業によって報酬を得られるようになることは、今後の日本社会にとってとてもポジティブですが、注意しなければならないことがあります。

それは、副業や兼業で得た報酬に掛かる税金の申告です。

サラリーマンも同様ですが、勤める組織外でお金を稼いだ場合には、自分で稼いだ金額に応じて税務署に確定申告をしなければなりません。

確定申告は年間で20万円以上の所得を得た場合に確定進行の義務が発生するため、年間で得た所得、及び支出について自ら記録しておく必要があります。

また確定申告には、現職の源泉徴収票が必要である上、今年度からはマイナンバーが必要になる上、確定申告時に提出する損益計算表、青色申告を行うならば貸借対照表が必要になります。

初めての場合には記入など書き方ややり方を知らないと難しいため、税理士に頼むなどした方が良いでしょう。

確定申告は慣れていないと時間や手間がかかるために、面倒ではあるものの、しない場合には脱税にあたるため、厳しい場合は懲戒処分として解雇を言い渡されるなどの罰則を受ける可能性があります。

副業禁止を就業規則で明記していない場合は特に問題とならないかもしれませんが、公務員の場合には法律で規定されているために確実に罰せられることになります。

副業が解禁され、収入を上げる手段が増えた一方で、しっかりとルールを認識していなければ本職に支障を来しかねないために注意して臨むようにしましょう。