近年の技術革新に伴って人々の暮らしに密接になってきたIT。
その最たるものが携帯電話かと思います。2000年代前半はPHSや電話メインの携帯電話であったものが、2010年に入るとiPhoneに代表されるスマートフォンが当たり前に普及されるようになり、それと共にインターネットが人々の生活に深く入り込んできました。
SNSやゲーム、日々の生活の管理ツールまでなんでも揃っているスマートフォンは今やそれ一つで収入に繋げることも可能です。
最近では場所を選ばず短時間で手軽にできるため何かと話題になりますが、本当に気軽い稼ぐことができるのかと疑問に感じる方も少なくないはずです。
一体どんな仕組みなのか、どれだけのコストでどの程度稼ぐことができ、どんな人に向いている仕事なのかを考えてみたいと思います。
スマホ副業が何故儲かるのか、仕組みと提供側の思惑
誰でも簡単にわずか3分で高収入!
そんなキャッチコピーをインターネットで目にしたことはありませんか?
あらゆる情報が飛び交うインターネットでは嘘か誠かも判断できないような広告が無数に目につきます。
ではこれは本当なのか?そんな短時間で、何か作業をしたわけでもないのになぜお金がもらえるんだ?そんな甘い話が転がっているわけない!嘘に決まっている!
そう決めつけて完全に無視している人も少なくないと思います。
では一体どんな仕組みで稼げるシステムになっているのか、考えていきたいと思います。
ポイントが稼げる副業はその経済圏を拡大させ流通を促進することが狙い
特に目にするのは、Tポイントや楽天ポイントに代表される、ポイントを稼ぐことができる!というものです。
これでなぜ稼ぐことができるのかはポイントビジネスにおけるモデルを把握する必要があります。
コンビニやレストラン等さまざまな店舗で購入時にポイントがもらえる仕組みが流行っていますが、この狙いの本質は「経済圏の拡大」です。
ポイントを獲得すればするほど、獲得した人々はポイントを利用したいと考えてインターネットや店舗でポイントを利用するために「購入」を行います。
この購入を拡大・促進して、ポイントを扱っている店舗全体の経済圏を活性化していくことが狙いなのです。
一度貯まったポイントを利用した人はその利便性の高さから次もポイントを貯めて利用したいという感情が生まれます。
何故ならばポイントを貯めればそれだけ安く品物を購入できますし、特定のジャンルに限らず多くの品物やサービスで利用できるためそれだけお得だからです。
どうせ購入するのであればポイントを貯めたい、そして何か生活を便利にできる商品の購入やサービスに利用したい、そう考えるのが心情かと思います。
また、ポイントを発行・提供している会社は店舗からポイントを仕入れてもらう際の手数料で儲けています。
例えばポイント発行側は提供店舗に対して、2,000円分のポイントを2,002円くらいでわずかな手数料を上乗せて販売し儲けているのです。
ですので、ポイント発行側としては、とにかくポイントが利用できる店舗を増やしたい、そうすることでポイント経済圏を広め多くの店舗にポイントを仕入れてもらえればそれだけ儲かる、という仕組みなのです。
ポイントを仕入れている店舗もポイントを買うことで手数料以上の販売増加や認知度増加、顧客増加に繋がるのであればメリットですし、ポイントを活用する購入客も割安で商品を購入できる、正に全ての関係者がウィンウィンとなるビジネスモデルなのです。
世間的に聞いたことのあるポイントが稼げる副業であれば基本的には安全
ですので、短時間に大した仕事をしていないのにすぐにポイントが貰えてお小遣い稼ぎができます!
という副業については、ポイント発行側がポイントを多く提供し流通させていくことでポイント利用者を増やしたい、経済圏の活性化を図っていきたいという狙いあるため基本的には安心・安全だと捉えて問題ないかと思います。
特にTポイントや楽天ポイントといった世間一般的に認知度の高い副業については全く問題にならないでしょう。
もしも聞いたことのないポイントや、女性にしかできないような怪しい仕事を推奨してのポイント稼ぎを謳っているサービスは手を出さないようにするのが一番良いと思います。
そのようなサービスが結局のところポイントを購入するために有料会員登録を促したり、またはポイントを使うためにお金が必要だったりと、支出が入り稼ぐどころか損をする可能性すらあるからです。
ポイント稼ぎの副業は実際どれだけ儲かるのか
ではこのスマホアプリでのポイント稼ぎ、実際にどれだけ儲かるのか、時間が掛かるのか、さらに踏み込んで考えていきたいと思います。
場所を選ばず誰でも簡単に稼ぐことができるといっても、掛けた時間に見合わないようであればあまり好ましい副業とは言うことはできません。
実際にスマホでアプリをインストールし、ポイントを稼げるようになるまでは、通信環境にもよりますが2~3分程度のため、まず準備にはほとんど時間はかかりません。
その後はサービスによって異なっていくためそれぞれ分けて検証していきたいと思います。
見たり、読んだりするだけでポイント稼ぎが行える「閲覧型の副業」
まず一つ目に挙げるのは「見る」や「読む」などの動作に対して、その対価としてポイントが得られるという「閲覧型の副業」です。
アプリ上に掲載されている広告商品や、ニュース記事を見るだけでポイントを得ることができます。
これらのサービスは、広告料として広告配信を行いたい企業から費用を取ることで運営資金、ポイント配布の原資を得ています。
しかし閲覧されなければ広告を出したいと思ってもらうことができないため、ユーザーに閲覧を促すために見るとポイントが貰える仕組みになっているのです。
それ故に、短時間で全然仕事を行わなくとも広告を「見る」だけでポイントを稼ぐことができるというわけです。
今回は例として楽天ポイントが貰えるサービスで検証をしてみます。
この副業はまず、閲覧するだけでポイントを貰うことができる広告を探すところから始まります。
当然無限にすべての広告を閲覧する度にポイントを貰え続けるというわけではなく、見ると貰える広告が決まっています。
探すのにおおよそ10秒ほど、そしてだいたいの広告は1ポイントが貰える広告です。(たまに2ポイントの広告もあります)
1回見るのに通信時間を含め5秒程度。故に1ポイント獲得するのに15秒掛かる計算です。
1分間に4ポイントなので、もしも1時間やり続けることができれば240ポイント得られます。
楽天ポイントの場合、1ポイント=1円分の割引で利用できるので、時給換算すると時給240円ということになります。
例えば1日3時間行ったとして1日720円。1週間で5,040円。月に20,160円です。
やることはひたすらクリックし続けるだけということで、誰でも準備がいらずにできるという点では、お小遣いにはちょうど良い収入が実現できることが分かります。
しかし実際には1時間ひたすらクリックできるだけの広告はないため、1日稼ぐことができたとしても10ポイントほどでしょうか。
故に実際は月に280ポイント=280円ほどと考えると、副業としては適切でないかもしれません。
ちょっとした暇な時に気付いたらクリックしてみる程度が良いかと思います。
アプリ上で経済圏活性化に貢献することでポイント稼ぎ「コミュニティ形成型の副業」
次にコミュニティ形成型の副業を見てみます。
これはポイント経済圏の活性化に貢献し、販売活動を促進させていくことでポイントを稼げるといったものです。
なので、簡単な動作だけでポイントが貰えるということがなく、販売活動が活性化されるように工夫をしていかなければポイントは獲得できません。
そういった意味ではどうやったら販売促進に繋がるのか、どのように見せていくのかを考えなければならず、所謂マーケティングに長けた方でないと難しいという側面があります。
例として楽天ポイントを稼げるROOMでは、アプリ上で自分の「空間」をデコレーションして、その中に洋服等の商品をレイアウト設計して販売促進に繋げるサービスがあります。
おおよその見積もりでは、まず「空間づくり」に掛かる時間が少なくとも2時間程度。空間の運用に毎日30分程度掛かるとし、そしてそこから販売に至るまでに少なくとも3日はかかると計算した時に、最初にポイントを獲得できるまで3時間30分掛かります。
売れた商品が5,000円の商品の場合10%の500円分のポイントを獲得できるとして3時間30分で500円稼ぐことができます。
時給換算すると時給約143円。マーケティングの知識が必要になる上、安定して売れるわけではないこと、費用対効果を考えると誰でもできる副業ではなく、思ったようにお小遣いを稼ぐのは難しいでしょう。
もともと空間づくりや誰かにこの商品をお勧めしたい!ということに楽しさを感じているのであれば趣味のような感覚でできるので良いと思いますが、それ以外の方はほかの副業を探したほうがより効率的に稼ぐことができるかと思います。
ポイント稼ぎ以外にできるスマホでの副業
今までポイントを稼ぐスマホでの副業を紹介しましたが、そのほかにもいくつか簡単にできる副業を見ていきたいと思います。
CASHやONEといったサービスが最近では話題になりました。
CASHは、アプリ上で要らなくなったブランドを写真で撮影し、提示された金額で買い取ってもらえるサービスです。
取引が成立し、商品を指定の住所に発送が完了すれば、登録した口座に金額が振り込まれます。
またONEは要らなくなったレシートを撮影しデータを送ればレシートにつき10円を稼げるサービスです。どうせ捨てるものをお金に換えることができるという意味ではどちらも面白いサービスです。
CASHはとても簡単に撮影し買い取りしてもらえるのですが、
・提示金額が思ったより安いこと
・アプリに登録されたブランド品しか取引されないこと
・商品を発送しなければならないこと
を踏まえると、あまり効率的に稼げるとは言い難いのが実情です。
常日頃からブランド品を定期的に購入する方であればよいですが、そうでない場合は使いづらいかと思います。
また足を運ぶ必要はありますが、一般的な店舗型の古物商に売ったほうが高いケースもありますので、副業としては成立が難しいと考えています。
またONEは隙間時間にレシートを10円に換えられため、ちょっとしかお小遣い稼ぎには最適です。
レシートは必ず誰でも発生しますし、個人で会社を行っていない人にとっては捨てることも多いかと思います。
写真1枚あたり5秒、データ転送で5秒、10秒で10円稼ぐことができ、場所を選ばず準備も必要ないことを考えると非常に効率的です。
ただ現在は1日10枚限定のため、日給100円、月給3,000円となります。時間がさほど掛からないので是非毎日実践して取り掛かりたい副業といえるでしょう。