在宅CADオペレーターになるには?具体的な方法とポイント

CADオペレーターとして活躍する方の中には、いつしか自分で独立してCADオペレーターになりたいと考えている方も多いかと思います。

独立すれば、会社に縛られずに自分のペースで、さらには自分の時間で在宅にいながら仕事をこなすことができるようになるために、サラリーマンとして働いている人にとっては魅力的な働き方です。

しかし、実際に在宅で仕事をするといっても、本当に仕事があるのかどうか、お金を稼いでいけるかどうか不安であることも事実です。

今回は、実際に在宅CADオペレーターとして活躍するためにはどうすれば良いのか、具体的な方法やなるためのポイントを整理してご紹介していきたいと思います。

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在宅CADオペレーターになるための戦略

まず、そもそも在宅CADオペレーターはどのようにしてなることができるのか、その戦略からお伝えしていきたいと思います。

在宅CADオペレーターは在宅にて働くことになるために、1人でも立派に仕事をこなすことができるだけのスキルと知識が必要不可欠になります。

また在宅で仕事をもらうことができるということは、他の在宅CADオペレーターを差し置いて仕事を貰えるということであり、他者から評価してもらえるだけの実績も持ち合わせている必要があります。

既にそのスキル、知識、実績を持ち合わせているのであれば後は求人を探すのみとなりますが、これから志す方にとってはなるためには効果的な戦略を立てて実践していかねばなりません。

そこで、私が紹介するのは以下のいずれかの戦略となります。

1:これからのニーズに合わせた技術を習得することで差別化する
2:これからのニーズに合わせた業界に精通することで差別化する
3:業績の安定している会社で実績を積み将来的な独立と仕事の受注を狙う

技術による差別化戦略

1番目に挙げているのは、「技術による差別化戦略」です。

簡潔に言えば、未来を見据え今後確実に伸びると考えられる技術もしくは業界に狙いを定めその場所で戦い続けることで自分の市場価値を高める戦略です。

自分の強みとなる技術力を構築し在宅CADオペレーターとしての下地を築くことができれば、長期間に渡って活躍していける可能性が高まります。

このような技術として、例えば「3D CAD」が挙げられます。

これまで、2次元でのCADソフトを活用した図面作成が一般的であったものの、3Dプリンタに代表されるように世界のテクノロジーが急速に発展を遂げ2次元から3次元へとニーズが移り変わり始めています。

2020年以降、間違いなくこのニーズが高まっていくために、今の段階から3D CADを活用できることは将来的に大きなアドバンテージを生み出す可能性が高いでしょう。

今では無料で利用できる3D CADのフリーソフトを増え始めており、在宅でも利用することができるようになっています。

また有償版も用意されているために、充実した機能を使い果たした上で仕事をこなしたい場合にも切り替えることが可能です。

例えば、「Fusion 360」などは有償版も安価で利用できる上、デザインから設計、加工まで全て1つのソフトで行うことができるためおすすめです。

このように、今後ますますニーズが高まる技術を独学でスキルを磨きつつ導入している職場で働くことで実践経験も同時に積んでいければ、将来的に在宅CADオペレーターとして活躍できる可能性が高まっていくことでしょう。

業界による差別化戦略

次に、技術ではなく業界に狙いを付けて差別化を図っていく戦略も考えられます。

今後、日本では衰退することが予測される業界、成長することが予測される業界が顕著になっていくことが想定されます。

これは、2020年に東京オリンピックが終了し、それまで好調であった景気が下降線をたどっていくことが考えられるからです。

例えば、自動車業界はグローバル市場で戦っていること景気の影響を受けやすいことに加えて、人口減少などに端を発する若者の車離れが進行していくことで、中長期的な市場の縮小を想定することができます。

一方で建設業界は、古くなった建物の修繕やインフラ工事などのニーズは景気に寄らず継続して必要になってくると考えられるため、中長期的に魅力的な市場環境です。

このように、今後も伸びそうな市場、縮小していく市場を見極めた上で、成長市場に身を置き実績を積んでいくことができれば、将来的に在宅CADオペレーターとして活躍できる飛躍的に高まります。

業績好調な企業で実績を積む

最後に3番目の戦略は、1,2番とは異なり特定の企業で実績を積むことで将来的に独立を狙う戦略です。

ここで大事な条件は今まで安定した業績を出している企業であり、今後もニーズが確実に見込めそうな業界に属している企業であることです。

派遣でも良いのでそのような安定企業で長らく実績を積むことができれば、例えば将来的に独立した時にも仕事を貰える可能性がかなり高まります。

1つの企業に徹底的にフォーカスしてコツコツとその企業内で実績を上げることは焦らず業務に集中していればさほどハードルも高くないため、実践しやすい戦略と言えるでしょう。

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在宅CADオペレーターになるための具体的な方法

戦略を知ることで在宅CADオペレーターとして活躍するビジョンを描いた次は、具体的に在宅CADオペレーターになるにはどうしたら良いのかご紹介します。

戦略を実行する上で重要となるのは、作戦です。

戦わなければならないところはどこなのか、見極めた上で行動に移す必要があります。

今回、戦略は大別すると「技術」と「企業」の2種類に分かれますので、今回は「どんな技術を身に付ければ戦略の実行確率が高まるのか」「どんな業界の企業に勤めれば戦略の実行確率が高まるのか」を詳細な説明を踏まえてご紹介していきたいと思います。

どんな技術を身に付ければ戦略の実行確率が高まるのか

CADの技術は今までは基本的に「2次元CAD」と呼ばれる領域でした。

2次元(平面)を基本として設計や製図を行うことが主流でしたが、現在ではITテクノロジーの発展に伴って「3次元CAD」が主流になり始めています。

3次元CADは「ハイエンド」「ミッドレンジ」「ローエンド」に分類され、ハイエンドほど機能が高くなります。

ハイエンドCADは、主に自動車や航空機器を中心に活用されることが多く複雑な設計が必要となる分野が主戦場となります。

またミッドレンジCADは家電製品や一般的なOA機器などに活用されており、量産体制前の試作品段階で普及が進んでおり、ローエンドCADは

一番大きな時代の変化としては、ボーイング社は史上初めて機体の全設計を3次元CADによって行ったことが挙げられます。

このように、テクノロジーの発展とそれを急速に取り入れ始める企業が増えており、今後CADオペレーターの仕事を行っていく上で3次元CADの需要も比例して高まっていくことがほぼ確実な情勢です。

具体的には種別に以下のソフトウェアが主流となっています。


【ハイエンドCAD】
・CATIA:ボーイング社、トヨタ自動車、本田などの大手企業が利用
・Creo Paramatoric:ソニーやシャープなどの大手家電メーカーで利用
・NX:マツダ、日産などの大手自動車メーカーで利用
・Unigraphics:大手自動車メーカー各社で利用
・I-Deas:大手自動車メーカー各社で利用

【ミッドレンジCAD】
・Solidworks:機械、家電、精密機器メーカーで利用
・Fusion360:家電、通信機器、製造装置メーカーで利用
・Inventor:家電、通信機器、製造装置メーカーで利用
・TOPsolid:設備機械、家電メーカーで利用
・Solid Edge:設備機械、家電メーカーで利用

【ローエンドCAD】
・Inventor LT
・123d design
・DesignSpark
・Creo Elements Direct Modeling Express


ハイエンドCADは全てが世界に名が知られている大手企業がこぞって利用しているソフトウェアであり、今回在宅CADオペレーターとなる上では少々ハイスペックであり、かつハードルが高い傾向にあります。

この領域のソフトウェアを利用し学習したい場合には、大手メーカーで勤務することを前提にする方が習得するほうが良いでしょう。

またローエンドCADはそのほとんどが無料で利用できるフリーのソフトウェアであり、一般的な企業が求める水準の機能を有していないケースがほとんどです。

中には上手く使いこなすことで活用できるフリーソフトもありますが、在宅CADオペレーターとして技術力で差別化を図るのであれば、しっかりと機能水準を満たしたソフトウェアを活用できるようになったほう良いでしょう。

そこで身に付けたいのが「ミッドレンジCAD」のソフトウェアです。

中でもFusion360は個人で利用しても低価格で利用できるソフトウェアであるために、おすすめです。


【Fusion360の概要】
・機能:製品開発に必要な機能を全て備えており使いやすいソフトウェア。スカルプ機能、図面機能、レンダリング機能(CAE)などの多様な機能を搭載
・対応OSS:Windows 10,8.1,7SPI(64bitのみ)、macOS Sierra10.12,High Sierra 10.13,X10,11
・価格:<Fusion360>5,400円/月、3万9,960円/年、11万9,880円/3年
    <Fusion360 Ultimate>2万4,840円/月、19万6,560円/年、58万9,680円/3年


中小企業を始め様々な企業で取り入られ始めているために、習得することで在宅CADオペレーターとして、技術面で勝負できる確率が格段に高まるでしょう。

技術の習得方法は「個人学習」か「専門学校」

Fusion360のような在宅CADオペレーターとしての技術を身に付ける方法は主に2つの選択肢があります。

1:個人学習
2:専門学校

個人学習の場合には、自らお金を支払った上でソフトを使い始める必要があります。

その上で、企業に実績を示すためには3次元CADの資格を取得することが望ましいです。

3次元CAD利用技術者試験として2級、準1級、1級の3段階で用意されており、受験資格に応じてそれぞれ受験することができるようになっています。

概要は以下の図のとおりです。

また、合格率は年々異なるものの、2級でおおよそ50%前後、準1級で40%前後、1級で25%前後と、レベルが高まるにつれて下がっていく傾向にあります。

目的は在宅CADオペレーターとして技術力で差別化を行うことにありますので、1番難易度の高い1級合格を達成することが、個人学習における目標となるでしょう。

また個人学習をしなくともお金を掛けることができれば専門学校に通いながら3次元CADの技術を習得する道もあります。

専門学校は数多く存在しますが、確実に満たしておきたいことは以下の条件です。

・3次元CADを実践的に学ぶことができる
・3次元CADの中でもミッドレンジ層のCADソフトの技術を身に付けることができる

上記を踏まえた上で、あとは金額との相談になるため、無理のない範囲に収まる学校を選択するようにしましょう。

どんな業界の企業に勤めれば戦略の実行確率が高まるのか

技術ではなく、業界で差別化する場合、その業界が成長市場にあるのかどうか、または先進的な技術を積極的に取り入れているのかどうかが最重要ポイントとなります。

例え長く続けている会社であったとしても、古くから用いている手法に固執していたり、新しいことにチャレンジしている風土がなければあっという間に時代に取り残されてしまう可能性が高くなります。

将来的な需要予測をもとにして、私がおすすめする業界は以下の業界です。

・機械メーカー
・製造装置メーカー
・精密機器メーカー

上記の3つの業界に共通して言えることは、将来的な需要が途絶える確率が極めて低いことにあります。

まず機械メーカーはその名の通り機械全般を取り扱っている企業群を指します。

現在、テクノロジーの発展に伴ってAIがどの業界でも用いられ始めており、農業用ロボットや産業用ロボットなど機械が人に変わって仕事をすることが現実味を帯び始めてきました。

今後はその傾向が一層強くなっていくことが世界的にも予測されており、ロボットを中心として機械メーカーの需要は引き続き伸長していくことが想定されます。

同様のことが製造装置メーカーにも言うことができます。

製造装置は例えば工場における製造ラインなども開発しているメーカーが挙げられますが、工場の製造ライン技術では日本は世界一を誇っています。

そのため日本市場はもちろんのこと世界的にも需要は伸び続けており、現在の市場規模は25兆円にも上ります。

今後は、この日本技術力に加えてAIなどのテクノロジーが積極的に導入されていくことで引き続き需要は伸びていくことと考えられ、魅力的な業界の1つと言うことができるでしょう。

最後に精密機器に関しても、テクノロジーの発展に深く関わることが理由です。

精密機器とAIは密接に関連しているため、自動判定技術や自動制御装置など、今後も市場は明るいことが想定できるため、この業界も注目すべき業界の1つです。

これらの業界に身を置き実績を認めてもらうことができれば、独立後も仕事をもらえる可能性が高まるために在宅オペレーターとして活躍できる確率が高まるでしょう。

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在宅CADオペレーターになるための必ず抑えるべきポイント

今まで、在宅CADオペレーターになるにはどうすべきか?についてご紹介してきました。

ポイントを纏めると以下のようになります。


【在宅CADオペレーターになるためのポイント】
・将来を見越して技術力か業界、企業で差別化する
・資格、もしくは実績として可視化できる経験を身に付ける


戦略をしっかりと実践できれば自ずと在宅CADオペレーターとして活躍できる可能性が高まっていくと思いますが、一方で、しっかりと戦略をもった上で行動していかなければ、在宅CADオペレーターになることは難しくなっていくでしょう。

副業が盛んになっている時代ではあるものの、企業が仕事に求めるクオリティは変わっていないばかりか高まっている傾向にあります。

在宅CADオペレーターとして個人で長く活躍していくためには、相応の準備や戦い方が求められているため、上記のポイントを踏まえて計画を立て臨むようにしましょう。

在宅CADオペレーター求人の探し方

中には既にCADオペレーターとして実績を積んでおり、将来的に在宅CADオペレーターになるための方法を模索している方も多いかと思います。

もしも今まで上げたポイントを抑えることができていなければ転職や個人学習を通じて経験を積むことが最善かとは思いますが、既に経験されているのであれば今すぐにでも求人を探して在宅で働く選択肢もあるでしょう。

その場合は以下の記事を参考にして実際に求人を探してみることをおすすめします。