【人材のプロが徹底考察】フェンシング協会副業公募と最適な人材

最近話題となっているフェンシング協会による副業兼業求人の公募案件
2018年10月、フェンシング協会会長の太田雄貴さんが株式会社ビズリーチと連携し、ハイクラス人材向けの転職サイト「ビズリーチ」上にフェンシング協会の副業兼業求人の公募を開始しました。
これを見て、今までベールに包まれていたスポーツ関連協会の求人に対して明るみで出たことで興味を抱いた人も多いのではないでしょうか。
私もそうでしたが、いずれスポーツ業界に携わりたいと考え、スポーツ関連求人を探すもののなかなか出会うことができず、夢半ばに諦める人も多いものと考えています。
そんな中で明るみになった今回の副業兼業求人はどんな内容でフェンシング協会にどのように携わることができるのか、知り得た情報に私の考察を加えて書いていきたいと思います。

現在、スポーツ関連協会では様々な問題が取り沙汰されて話題になっていますが、何も悪いことばかりではないと感じています。
それは、先日のフェンシング協会の副業兼業求人の公募。
従来、スポーツ関連協会はそのスポーツに携わっていた人物が中心になり運営されていますが、今回の求人公募は民間企業から広くビジネスプロフェッショナルな人材を登用すべく行われた求人です。
これは、今までのフェンシング協会の風土に風穴を空けるような動きであり、旧態依然とした組織の在り方を変える、謂わば革命的な試みになると感じています。
ではなぜ今回は太田雄貴さんはそのような革命的な試みを決断したのか、今回求められるビジネスプロフェッショナルとはどんな人材でどんなミッションを与えられるのか、またこの革命から紡ぎだされる未来はどんな未来なのか、一連の流れと情報より考察してみました。

まず、今回、日本フェンシング協会が民間企業から幅広くビジネスプロフェッショナルを求めた理由は2点です。
・日本フェンシング協会の収益力向上
・フェンシングの認知度向上

有望な選手を強化し、世界と戦って日本にフェンシングを普及させていくためには当然ながら資金が必要になります。
しかし従来の協会の体質ではフェンシングをビジネスとして捉え、事業を構想して収益を上げていく発想と実現力に課題がありました。
そこで、それらを具体的に落とし込み事業として成長、成功させるために民間企業で実際にビジネスを成功させているビジネスプロフェッショナルに手を借りようというものなのです。
さらに、従来の組織風土では考え付かなかった民間サービスを活用しての副業兼業求人の公募はそれまでフェンシングを深く知ってこなかった人、メディアの関心を大きく惹きつける役割をこなしています。
実際に、この求人が発表されてからというもの、メディアで多数の記事が露出されており、フェンシング協会の挑戦や今後の目標に良いイメージを与え認知度が格段に向上したものと感じています。
そして、この求人では、具体的には4つのポジションで副業兼業を行う人材を募集しています。

・経営戦略アナリスト
・PRプロデューサー
・マーケティング戦略プロデューサー
・強化本部ストラテジスト

全てのポジションに横文字が入り、少し抽象的なポジションではあるものの、この4つのポジションは、実のところ以下の2つの役割に集約されます。

・戦略立案
・マーケティング広報

アナリスト、ストラテジストについては戦略立案を担い収益力向上をメインミッションとした事業構想に尽力し、残り2つのプロデューサーは日本におけるフェンシングの認知度向上をメインミッションとした広報活動、マーケティング活動に尽力することが求められているでしょう。
この新たな収益力向上の柱を立案、実行し、フェンシングの周知、認知度向上によって、最終的には競技人口を増やすことでフェンシングを普及させていくビジョンが想定できます。
また、このような課題は何もフェンシング協会だけではないため、フェンシング協会での成功を皮切りに各種他の協会でも同様の取り組みが拡がっていくことで日本のスポーツ業界全体の底上げにつながっていく未来が紡ぎだされるものと感じています。

今回の日本フェンシング協会の課題や狙い、そしてここを起点とした日本のスポーツ業界全体に与える影響を把握していなければ、スポーツビジネスに興味があったとしても乗り遅れてしまう可能性があります。
今回の取り組みは日本のスポーツ業革命とも取れる可能性をはらんでいることから、背景や今後の展望をしっかりと把握して、今後どのように関わっていくことができるのか逆算して考えることができれば、事前に準備しておくことが可能です。
日本のスポーツを変えていく一助を担えることは興味のある方であれば非常に魅力的な仕事だと思いますので、全体像を把握しておくようにしましょう。

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日本のスポーツ業界で求められているのは「事業戦略立案・推進」「マーケティング担当」におけるプロフェッショナル

今回、日本フェンシング協会より、太田雄貴さんの強い意志と実行力が功を奏して実現した副業兼業求人ですが、課題としては何もフェンシング協会だけが抱えている課題ではありません。
それは日本の全てのスポーツ協会に通ずる課題でもあり、日本のスポーツ業界全体の課題と言っても過言ではないと感じています。
それは、資金力と認知度の向上です。
歴史が深く、世界で人気を誇るスポーツこそ認知度がもともと高いために日本でも大きく普及しているスポーツもありますが、それでも世界と比較すると課題だらけです。
サッカーや野球が良い例といえるでしょう。
フェンシングのように世界規模でみれば盛んな競技も、日本単体で見ると普及率は低くこれはその他多くのスポーツにも同様のことが言えます。
即ち、ほぼすべての日本のスポーツ協会はフェンシング協会と同様に資金力と認知度向上に課題を抱えており、日本での普及を本気で進めていくためには何らかの改革が必要となるのです。
そのためには、今回募集されている求人のように課題を解決するビジネスプロフェッショナルの存在が必要不可欠となります。
・事業戦略立案・推進担当
・マーケティング担当

新たなに資金を集めるためには、収益が見込める事業の立案と推進が不可欠です。
戦略を描けるのはもちろんのこと、それを実現できる行動力を持ち合わせたプロフェッショナル人材が必要となるでしょう。
また認知度を上げるにはお金が潤うだけでは意味がありません。
資金を元にして、フェンシングに興味・関心がありそうな潜在層に向けて的確に周知することで認知度を上げていくことが必要となります。
デジタル分野でのマーケティングから、広告を活用したオフライン分野でのマーケティングまで、周知すべきターゲットに向けて柔軟に発送して行動に移すことができる人材が最適となるでしょう。

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フェンシング協会の4つの副業兼業求人に合致するのは情熱とスキルを高レベルで合わせ持った人材

今回実際にフェンシング協会で募集された求人は4つです。

【事業戦略立案・推進担当】
・経営戦略アナリスト
・強化本部ストラテジスト

【マーケティング担当】
・PRプロデューサー
・マーケティング戦略プロデューサー

この求人に実際にマッチすべき人物像は、以下の様な条件が求められると想定されます。


経営戦略アナリスト、強化本部ストラテジスト

  • コンサルティング会社、もしくは事業会社で年間数億円程度のP/Lを考慮した事業のグロースを担った構想、経験したことがある。同時に、数十人程度の規模のチームのマネジメントを経験したことがある。
  • 考えるだけではなく、自ら足を運び、実績を作りにいく行動力、柔軟性を持ち合わせている。
  • スポーツビジネスに関する知識を多少なりとも持ち合わせている。
  • スポーツの発展、フェンシングの発展のために情熱を持っている。


  • PRプロデューサー

  • 広報としてイベントや記者会見を企画し、複数のメディアを呼び込みプロモーションを行った経験がある。
  • メディア各社と継続的に付き合っていくことができるコミュニケーションが行える。
  • スポーツの発展、フェンシングの発展のために情熱を持っている。


  • マーケティング戦略プロデューサー

  • マーケティング担当者として、デジタルマーケティングからオフラインマーケティングまで、ターゲットのペルソナをイメージした最適なマーケティングを計画、実行した経験がある
  • 仮説を検証し、改善を図っていきつつマーケティング効果を高めていくことができる。
  • スポーツの発展、フェンシングの発展のために情熱を持っている。


  • 上記は、経験、スキル、知識、想いを包括的に記載した条件となります。
    新たな収益モデルを構想すること、そして実現することや、日本にまだまだ浸透していないフェンシングをPR、マーケティングして実績を出すことはまず素人には行えません。
    確実に収益を上げることができそうな事業計画を立案し成功させて実績がなければ厳しいかと思いますし、認知度も明確なペルソナを把握するまでは厳しい戦いが続くことが想定されます。
    故に、上記のように各種民間企業においてもエースとなるようなプロフェッショナル人材の要件レベルにて記載しています。
    細分化すればより細かい条件に落とすことはできるかと思いますが、最低限上記の条件をクリアすることが今回の副業兼業求人に求められている人材要件であると考えています。

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    今後はフェンシング協会がロールモデルになり各協会に派生することを見越して必要なスキルを磨く

    今後、この副業兼業案件が成功した暁には他協会にも横展開されて派生することが十分に考えられます。(太田雄貴さんもインタビューでそれを願う発言をしています)
    今はフェンシングの求人に応募することができない、または応募したが要件を満たすことができなかった方であっても、他協会で公募された際に採用されるよう必要なスキルを磨くことは十分に可能です。
    事業戦略立案や実行における経験や実績については一朝一夕で身に付けられるものではありませんが、マーケティング担当であれば、デジタルマーケティング、オフラインでのマーケティング実績を積み、スポーツ業界に興味のある潜在層のペルソナを日々イメージして仮説を構築できれば必要な経験、知識や情熱は身に付けられるのではないでしょうか。

    スポーツ業界に興味があれば、今回のフェンシング協会の試みは非常に興味深く、今後のスポーツ業界全体への底上げにチャレンジできるチャンスですので、次回に向けて必要な条件は身に付けて臨めるように準備しておきましょう。