日本人であれば誰でも話せる言語である日本語。
最近は日本も経済水準が高くなっていることから世界でも注目される国であり、日本語が海外で学ばれるケースも増えてきました。
そんなことから、日本語を教えることができる日本語教師のニーズも増えています。
しかしそれだけで生活していくのは大抵の場合厳しいことが想定されます。
多くの方は日本語教師を副業として関わっており、今から日本語教師として副業を考えている人も、できれば本業に影響の出にくい土日に限定して副業を考えている方も多いかと思います。
今回は、この日本語教師を土日の隙間時間を活用して副業していくにあたって、必要なことや将来的な可能性について考察していきたいと思います。
現在の日本語教師の需要
戦後、高度経済成長を機に先進国の一員となり世界的にも注目を集める国の1つとなった日本。
私が小さいころは日本はまだ経済的にも成長期にあり、英語が世界的に活用される一方で日本語は日本でしか使われない言語としか認識されていませんでした。
しかし、日本を取り巻く世界の環境が変化していくにつれ、その考えも徐々に変わっていきました。
今や日本で働くことは、東南アジア諸国においてはステータスとなっており、様々な国から出稼ぎにくる労働者が増えています。
さらに日本は2010年以降人口が下り坂となり、人口減少、労働力減少の時代へと突入しました。
そのため、日本の各地で労働力不足が深刻化しており、それまで労働力とみなされてこなかった主婦や高齢者が新たな働き手として注目されています。
そのような状況もあり、直近では日本の国会でも外国人の受け入れ緩和法案が可決し外国人労働者を受け入れることを決めました。
東京や大阪の都市部では既に、コンビニから牛丼チェーン、至るところで外国人労働者を目にする機会が一気に増え、もはや日本の店員が1人もいないことも良くあります。
日本の地方都市においても観光業が一層盛んになり、外国人の日本に対する関心や労働意欲も急激に高まっていることを肌で感じられるようになりました。
もともと日本は世界的に治安が良いことで有名であり、経済水準が高いため受け入れが加速すれば日本で働きたい外国人は一層増えていくことが考えられます
日本語教師の将来的な需要予測
では具体的に、日本の現状と将来の見通しについて、どのようになっていくのが見ていきたいと思います。
既に前章でも出てきたワードですが、今後の需要を予測していく上でのキーワードは以下の2つです。
・人口減少
・労働力減少
日本は、明治時代にそれまで約5,000万人ほどであった人口が、ここ数百年のうちに急激に増加し今や1億人を数えるまでになりました。
しかし2010年をピークとして減少に転じており、2100年には6,000万人ほどまで減ってしまい、また明治時代初期の水準に逆戻りしてしまうことが予測されています。
さらに、人口が減ると同時に高齢化も進み、その結果として労働人口が大幅に減少していきます。
2025年には40%が高齢者になるとの試算もされており、そうなると労働人口(生産人口=15歳以上~65歳未満の男女)も急激に減少していくことが想定されています。
この人口減少と労働力減少は、現在日本が記録している経済水準を維持できなくなることを示しており、このままでは日本という国を運営することが難しくなってしまうでしょう。
そこで、政府が矢継ぎ早に展開しているのが以下の2つです。
・地方創生
・外国人受け入れ規制緩和
人口減少と労働力減少は東京以外の地方都市からどんどん進行しています。
特に今まで経済的に優位性がなかった都市から人口が流出しており、過疎化が進んでいます。
いまや消滅可能性都市に認定されている都市は全国で約900自治体存在し、近い将来、人がいなくなる地域も出てくるでしょう。
人がいなくなってしまうと、経済の縮小だけでなく、その土地を運営、管理することが出来なくなってしまうために、国防上のリスクも大幅に高まります。
そのような事態を防いでいこうと、東京や大阪など、都市部への人口集中を是正しようとしている試みが地方創生なのです。
政府は、多額の予算を投じて全国への移住を促進し、求人を可視化することで地域に人を呼び込み雇用を増加させていくことを目標としています。
また最近国会でも矢継ぎ早に採決された法案が、外国人受け入れの規制緩和です。
地方創生は、所謂バランスの是正に関する施策です。
東京に一極化している日本人を地方にも均等に振り分けていきましょう、という施策ですが総人口そのものが増えるわけではありません。
日本が現在抱えている問題を解決していくためには労働力そのものを増やさなければ根本的な解決には繋がっていきません。
そこで、外国から日本で働きたい労働者を募り、受け入れることで労働力を確保する政策が走り始めているのです。
日本は世界的に見ても治安が良く、日本で働くためのビザ取得にはとっても厳しい審査がありました。
しかし、特に労働力の足りていない業種に関してビザ取得の規制を緩和し、受け入れを拡大することで労働力の量そのものを補おうとしているのです。
2025年までに約50万人規模の受け入れ目標を立てており、労働力が減少していくにつれてこの目標値は年々上がっていくことが想定されます。
このように、今後も労働力確保に向けて政府が多額の予算を投下すること考えられ、今後働く場所として日本が一層注目されてくる可能性が高いでしょう。
そうなることで、学べる環境さえあれば今後日本で働く選択肢を視野に入れて生徒も増えていくことが想定され、日本語教師の仕事は一層ニーズが高まると考えられます。
また同時に、日本で外国人労働者を受け入れる企業も研修のために日本語を教える機会が増えることでしょう。
需要が増えていけばそれだけ仕事も増えるため、会社員として仕事をこなさずとも個人事業主として仕事を受けることができるようになっていきます。
副業はその最たる例であり、日本語教師として副業することが容易になります
実際に2019年より政府が国として副業を後押ししており、需要の高まり、国としての後方支援の両面を鑑みると、副業は効率的にお金を稼げる手段としてオススメです。
以上のように、日本語教師の仕事は日本のグローバル化の加速に伴って将来的に収入を伸ばすことができる可能性の高い仕事となり、今後は最も注目される仕事の1つになっていくと言っても過言ではありません。
日本語教師が副業していくために必要なスキル・資格
では日本語教師が副業をするためにはどのようなスキルが必要なのか、また資格は要るのか、見ていきたいと思います。
具体的に必要なスキルは以下の二つでしょう。
・英語力(英会話ができること)
・日本語力とティーチング力
将来ニーズが高まるのは、日本に来て日本語を学ぶ外国人よりも、インターネットを通じて日本語を現地で学びたい外国人であると想定しています。
もちろん、日本に来て学ぶ外国人も増えると思いますが、それよりも、母国で学んでから日本で働こうと考える人の方が爆発的に増えていくことでしょう。
技術的にも、パソコンを使えばオンラインで通信し、日本にいながら海外と繋がり学ぶスタイルが確立し始めており、これが急速に拡がっていくはずです。
そのため、日本語教師で副業を行っていくには自らも英語ができることが求められます。
生徒が日本語を理解できない際には英会話でコミュニケーションをとることが求められますし、教師が英語を問題なく話すことが出来れば生徒も安心感を得ることができるでしょう。
もちろん、英語ができなくとも、日本語教師の副業ができないわけではありませんが、選択肢も可能性も大幅に狭まります。
現在英会話ができない場合は、副業する時間があっても積極的に勉強した上で英語を身に付けるほうが、ニーズが爆発的に高まった時副業で仕事を一気に増やせるでしょう。
また、英語のスキルに加えて、日本語教師として働くわけですので、日本語の文法や語彙など、それなりの知識を有していることや、教えるスキルも必要になります。
生徒一人ひとり理解度には個人差があるため、どの段階でどのような教え方をすれば良いのかなど、生徒の理解度を見極めて適切に対応していくスキルです。
このようなスキルは一朝一夕で身につくものではないため、まだ自信がない場合には、例え英語が話せたとしても今のうちから準備をし将来に備えるのも良いでしょう。
今は本業をこなしつつ、ティーチングスキルを磨くために日本業教師としてのキャリアを積み重ねていくのです。
次に資格についてです。
外国人に日本語を教える場合に、基本的には必要な資格はありません。
しかし、日本語学校で教員として副業をするケースや、利用するサービスや仕事の紹介元によっては教師としての実績に加えて教員過程の履修を求められるケースもあるでしょう。
せっかく英語や日本語力、ティーチング力を磨いても条件次第で選択肢と可能性を失ってしまう可能性もあります。
既に日本語教師として働いていれば問題ないかと思いますが、万が一実績がない場合には早いうちに条件を満たすことが良いでしょう。
日本語教師が副業するために必要な学歴
具体的に、日本語教師として副業するために求められる学歴はどのレベルなのか、以下のケースで単位を修めていることが必要です。
条件は以下のいずれかとなります。
1:大学、または大学院で日本語教育主専攻、または副専攻で修了
2:日本語教育能力試験に合格
3:学位を持ち、文化庁が受理した420時間以上の日本語教師養成講座を修了
このうち、最短ルートで条件を満たすには2か3がオススメでしょう。
もちろん、大学を卒業する必要があるといっても、関東、特に東京の国公立を卒業する必要があるなど偏差値の定めはありません。
ここでは、特定の学部にて日本語教育に関する専攻を修了し、学位を持っていることが唯一の条件です。
ただ、今後の外国人に関する日本語教師としての需要増加を踏まえると、アメリカや台湾、中国など海外の大学と提携し積極的に留学生を受け入れている大学を選択するほうが賢明だと言えるでしょう。
日本語教師が副業で稼ぐためにすべきこと
日本が世界からどのようにみられているのか、また日本で現状抱えている課題と将来的に発生する確度の高い出来事は何かを組み合わせて考えれば、必然的に日本語教師の需要が増すことが分かってきます。
しかし、それに向けて何が必要なのか、どのように仕事に携わっていくべきなのかを考えなければ結局仕事もなく収入も増えません。
日本語教師として副業を考えているのであれば、一度市場の変化を理解した上で準備すべきことを明確にしてから取り組んでいくようにしましょう。
現状はまだまだこれからニーズが高まる仕事であるため、この仕事一本で急激に収入を上げていくためにはハードルが高いのが事実です。
将来性はあれど、現時点では本業の傍ら将来に向けて土日の隙間時間などを活用して副業を行うことが現実的な選択肢となるでしょう。
ニーズが高まりきっていない今のうちに副業をこなし、副業実績を作っておくことで準備を整え、ニーズが高まった時に一気に収入を伸ばすことを考えるのです。
これは所謂為替などと同じ考え方で、ブームが来た時に始めても波に乗るのに時間が掛かってしまいます。
早めに流れを察知しておき、ブームが来た時に自分の価値を最大限発揮できるようにしておくことが先決です。
前章でも紹介しましたが、日本語教師が副業で稼いでいくためにすべきなのは、以下のスキルを習得することです。
・英語力
・日本語の語彙力、ティーチング力
繰り返しになりますが、日本語教師が仕事を円滑に進めるためには英語力が必要となってくるでしょう。
また同時に、日本語を教えるわけですので、日本語のそもそもの語彙力やティーチング力がなければ教えることは難しいでしょう。
品詞や文章構成、漢字や言葉の意味など、基本はもちろんのこと、なるべく多くの日本語を知っていることが望ましいです。
生徒に合わせた話し方、表現の仕方に加えて、理解度の合わせた進行計画に沿って進めていくこと、生徒の課題を都度見抜いた上で効果的なアドバイスが行える力が必要です。
副業の中には、既に来日した上で学んでいる外国人向けに日本語を教える副業も存在するため、外国人の多い東京や大阪では副業をしながら準備をすることも可能です。
将来的には既に日本にいる外国人よりも国外にいながら日本語を学びたい外国人が増えていくことを踏まえて、今からネットサービスを介して日本語教師の副業を行う選択肢もあるでしょう。
副業の始め方
では、具体的に、日本語教師が将来のために備えて行う副業として最適な仕事と探し方をご紹介していきます。
前章でも説明しましたが、今日本語教師が必要なことは将来に繋がる準備です。
副業の探し方や将来的な需要の高まりを知らないことで、誰でも行えるような在宅でのデータ入力の仕事や、手作業での内職、また英語での例文添削や翻訳作業を行う方がいます。
さらには、わざわざ外に出てコンビニのバイトや深夜バイトに手出す方も見受けられます。
しかし、これらの副業は一時的なお金を手にすることはできたとしても将来に繋がることにはなりませんので、日本語教師として将来に活かすことのできる副業を選択するようにしましょう。
土日しか休みがなくとも、オンラインで通信し時間や場所を選ばずに日本語教師の副業を始めることができるサービスがあります。
おすすめの副業サービスとしては以下となります。
・JapaTalk(https://www.japatalk.com/)
・Preply(https://preply.com/ja/)
JapaTalkはNHKでも紹介されたことのあるネットサービスです。
在宅にいながらオンラインで通信し日本語を教えることで副業ができるサービスであり、生徒は海外にいながら日本語を学びたい外国人となります。
資格や試験、学歴、審査など必要とせずに時間と場所を選ばず自分の都合で副業することができるため、日本語教師の副業サービスとしては人気です。
またサービス内で登録さえ行っておけば、JapaTalkに登録している生徒が自主的にコンタクトを取ってきます。
そのため、求人を探すことはせずに必要に応じて仕事をすることができるのです。
生徒は最低でも390ポイントを支払って1コマ25分間の授業を受けることができ、教えた分からJapaTalkの手数料が差し引かれた分だけ収入を手にすることができます。
また1コマあたりの必要ポイント設定を自分で行うことが可能であるために、人気の講師となればなるほど稼ぐことができます。
しかし、逆また然り。
指名されなければ仕事をすることはできず、永遠に給料を得ることはできません。
そのため、しっかりと稼くためには人気講師となって指名され続ける必要があります。
普段から日本語教師として働いているのであればすぐに人気講師となれる可能性が高いため、今後の需要増加に備えて準備をする意味も含めてうってつけのサービスと言えるでしょう。
次にPreplyです。
こちらも基本的にはJapaTalkと同様、オンラインで通信し外国人に日本語を教えることができるサービスです。
スカイプを通じて日本語を教えることで報酬を手にすることができます。
JapaTalkとの違いとしては、日本語を教えることの特化しているわけではなく、数ある言語をオンラインで学べる点です。
世界中に言語学習サイトは様々ありますが、その中でも利用しやすいことで評判のサービスです。
日本語の需要も高く、人気の日本語教師は約40分で3,000円以上を手にする講師もいるようです。
以上、2つの副業サービスをおすすめしましたが、日本語を教えることに特化している点ではJapaTalkが使いやすいでしょう。
しかし、海外のほうが日本語教師として登録している講師数も少ないことが想定されるため、指名を受けやすくするにはPreplyが有用かもしれません。
副業に掛かる税金
バイトや在宅での内職、上記で紹介したJapaTalkにおける副業で稼いだお金は、その全てで所得税や住民税などの税金が発生します。
会社員として働いている間は、自分で払うことがないため特段気にしませんが、副業で稼いだ場合には自分で全て払うことになります。
正確には年間20万円以上の所得が発生した場合に税金が発生することになり、もしも払わなければ脱税となるばかりか、副業を禁止している会社である場合にはばれる恐れもあるため注意が必要です。
日本語教師として働き、今後もそのキャリアを飛躍させるために副業をしているにも関わらず本業となる会社員をクビになってしまっては元も子もありませんので、副業で20万円の所得を得た場合にはかならず確定申告をするようにしましょう。
確定申告は無料で相談会も行っているため、初心者であっても準備さえ行っておけば難しいことはありません。
しっかりとこなして収入もキャリアも将来に繋げていけるようにしましょう。
日本語教師としてのキャリアの選択肢と可能性
今はまだ需要の高まりがピークではなく、日本語教師だけの給料だけでは心もとないかもしれませんが、将来的な市場の変化を考えると日本語教師は本格的に準備、検討していく価値のある仕事です。
将来的に日本語教師の需要が高まり仕事が増えてきた時には、その活動の幅を拡げることで一気に収益をあげていくことが現実に考えられるようになります。
日本語教師の仕事をあっせん、紹介するサービスや業者が増え、日本語教師として独立して活躍することも視野に入れることができるでしょう。
さらには、今までの日本での教師実績や経験、スキルが高ければ、個人としての需要は高まるため、それを専門性として自ら海外に売って出ることで、日本の枠組みを超えて世界をベースに活動する日本語教師を目指すことができます。
そうなれば世界を股にかけて日本語を広める役割を担うこともできますし、個人で仕事を請け負った分だけで収入を増やしていくことができるようになります。
フリーランスで働いた分だけ収入を上げることができれば、年収も1,000万~2,000万円以上稼ぐことも可能ですし、夢がより現実的になり拡がっていくでしょう。