スクールカウンセラーで副業をするには?最短距離と仕事の探し方

いじめや自殺など、社会問題が毎日のように報道される昨今、学校に通う生徒の心理面のサポートは日に日に重要性を増しています。
またそれに関連し、生徒だけでなく、その親のサポートまで必要になってくるケースも多く、心理面のカウンセリング需要は高まってきています。
そこで注目を集めているのがスクールカウンセラーの仕事。
今までは社会問題化してこなかったさほど需要はありませんでしたが、今では仕事も増え、副業としてこなしている方もいます。
今回はそんなスクールカウンセラーの副業について、私が考察したことをお話していきたいと思います。

皆さんはスクールカウンセラーの仕事はご存知でしょうか。
その名の通り学校で生徒の心理面についてカウンセリングをする仕事になりますが、昔に比べて需要が高まっているようです。
社会人でも当然のことながら心理面のサポートは非常に重要になりますので、産業カウンセラーなる方が常駐している企業も多いかと思いますが、その学校版がスクールカウンセラーです。
いじめやモンスターペアレントなど様々な社会問題が表面化しているため子どもやその親のサポートが必須になってきており、教師では対応しきれないケースが多くその場合にスクールカウンセラーの出番となります。

この仕事は基本的には昔から副業的な位置づけで非常勤講師として関わるケースが一般的であったものの、さほど件数も多くないために注目されてきませんでした。
しかし現在の日本では非常勤講師としてスクールカウンセラーの副業をこなす人も各段に増え、その選択肢を考える人も増え始めています。
基本的には臨床心理士の資格を取得し、心理学を学んで仕事を行うのですが、スクールカウンセラーの場合は必ずしも必要にならないケースもあります。
つまり、サラリーマンやOL等、誰もが副業で関われる可能性もあり、意欲さえあれば勉強をしてスクールカウンセラーを目指せるのです。

さらにスクールカウンセラーの時給は一般的に5,000円~6,000円ほどと非常に高額であり、副業としてこなすのであれば十分な収入を得ることもできます。
週に2日2時間程度であっても1日で1万円稼げるため、月に8万円を稼ぐことができ副収入を得る意味では十分な額を稼ぐことも可能です。

このように、副業としてスクールカウンセラーは魅力的になりつつありますが、具体的にはどのような情勢なのか、またどのような人が向いておりどのように仕事を探すべきなのか、次の章からお話していきたいと思います。

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いじめ問題が深刻化、国は学校にスクールカウンセラー配置を強化

では具体的な情報を示しつつ、スクールカウンセラーの取り巻く状況について書いていきたいと思います。
文部科学省の発表では、平成30年度のいじめ件数は認知されている件数で41万件と過去最大であることが分かりました。
この数字は前年度より9万件増加しており、年々いじめ問題が深刻化していることを示しています。
特に小学校のいじめ認知件数は全体の75%にも及び、認知されているいじめのほとんどが小学校世代のものであることが分かっています。

この結果を受けて、国は平成31年度までに全公立小中学校にスクールカウンセラーの配置を計画していましたが、平成30年度での前倒しを決断。
全国の2万7,500校にスクールカウンセラーが配置されます。

これは文部科学省が定めた方針であるため、求人は基本的には国の機関によって募集されます。
つまり、教育委員会や公立の小中学校による募集です。
この時の募集要項としては、1日の勤務時間は原則4時間、週2日の勤務で臨床心理士の資格を保有していれば時給は5,480円、スクールカウンセラーに準ずるものとして認められて従事する場合には時給3,550円が一般的なようです。
働き方としては業務委託が一般的であるために、本業をこなしつつ副業としてスクールカウンセラーにあたることになります。

このように、スクールカウンセラーを取り巻く昨今の情勢としては、いじめ問題の増加とそれが引き起こす自殺などの社会問題の増加に伴って、急激に拡大傾向にあり、今後も需要が増加していくものと考えられます。

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スクールカウンセラーは「臨床心理士」の資格を保有してから望むことが近道

前章より、公立の小中学校や教育委員会に配置されるスクールカウンセラーは臨床心理士の資格を保有せずとも、スクールカウンセラーに準ずる者として認められれば働くことができます。
しかし、これはあくまで国の機関で募集されるスクールカウンセラーとして副業する場合であり、その他の機関、例えば私立の小学校、中学校などであ働く場合の多くは「臨床心理士の資格が必須」とされているケースがほとんどです。
臨床心理士の人数は2018年4月1日時点で34,504名とされており、全国の公立小中学校に配置が決まったとしてもその全員が配置されるわけではなく、そこで働けない場合には別の働き口を探すことになります。
そこで、私立の学校まで対象にできれば小学校、中学校、高校で約2,500校を対象にすることができるため、スクールカウンセラーとして副業できる可能性が飛躍的に高まります。
さらに私立の場合には学校法人ごとに求人が出されるために好条件の求人も出される可能性があるために、副業としてはその分魅力的になります。

では具体的に資格を保有していない場合どのくらいの期間と費用が掛かるのか、パターン別にみると以下のようになります。

・国立大学院 期間:2年間 費用:約150万
・私立大学院 期間:2年~3年 費用:約200万

臨床心理士の資格を取得するには「受験資格」を取得して受験し合格しなければなりません。
この受験資格を取るためには大学院で専攻した上で卒業しなければ得ることができないためにここが最初のハードルとなります。
特に社会人として本業をこなしつつ資格の取得を目指す上で大学院の卒業は時間的にも体力的にも大きなハードルです。
上記のどちらにしても期間もお金もとても投資することが難しくあまり現実的とは言えません。
そこで、働きながら臨床心理士の受験資格を取る上で以下の方法をおすすめします。

・放送大学大学院 臨床心理学プログラム 期間:2年+実務1年 金額:約50万

放送大学のプログラムでは、通信制のために決められたスケジュールで通う必要もなく自分のペースで進めることができます。
また金額も他の大学院に比べて格安であるために費用対効果としても申し分ありません。
本業をこなしつつ自分のペースで無理のない範囲でこなすことができ、卒業後は実務経験を1年積めば資格を取得可能です。
この実務経験はいわば研修期間の様なもので、スクールカウンセラーに準ずる者として働いた経験を指します。
多少時給は低くなるもののしっかりとお金は出るために、実際に副業を開始できることになるため、実際には2年、50万でスクールカウンセラーとして副業ができるのです。
週に2日4時間時給3,500円と考えると、月に約11万2,000円稼ぐことができ、年収換算すると約135万得られるので、卒業後1年で十分ペイでき、約85万円の利益を得られます。
しかし国立、私立で卒業するとなると、例え臨床心理士の資格を1年早く取得できても(実務経験なしでも)約時給5,500円のため、年間約210万の収入です。
私立大学院であればほぼ差し引きゼロで利益を得ることはできませんし、国立の場合でも約50万円の利益です。
さらに通信制でないことを考えると、収入的にも大学に通うコスト的にも放送大学で取得する方が費用対効果が高いと考えられます。

ただ、放送大学の場合には入学倍率が国立、私立よりも高い傾向にあるために、まずは入るために受験勉強をしっかりとしなければならないでしょう。

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資格取得後は「学校のホームページ」「求人サイト」で求人をチェックする

資格さえ取得してしまえば、今の情勢上、あらゆる方法で求人を見付けることができます。
1つ目に募集先である小学校や中学校のホームページ、そして2つ目に求人サイトです。

もしも資格取得したての場合には基本的には公立の小中学校か、もしくはさほど条件の厳しくない私立で働くと良いでしょう。
スクールカウンセラーは経験年数が重視されることが多いため、いきなり条件の良い仕事にありつくことは困難です。
また経験がないと私立はほとんど通らない可能性が高いため、経験年数を問われない可能性の高い、公立、または私立で経験を積むことを第一に活動するのが良いと考えています。
ですので、まずは教育委員会や近くの学校のホームページなどを優先的に日々確認していく方法が良いでしょう。
経験が5年以上経った場合には条件を重視して私立を中心に探します。
この時、求人サイトで広く探す方が効率的です。
特定の求人サイトで探すよりかは、Indeed、スタンバイ、求人ボックスなどの求人検索エンジンで探すと最も手早く求人を見付けることができます。

以上のように、臨床心理士としてスクールカウンセラーで働くことは、多少時間とお金はかかるものの他の資格(弁護士や弁理士、税理士)に比べると非常に現実的であると言えます。
副業としても申し分のない金額を得ることができる(年間150万~200万)と考えると、投資に見合う副業ではないでしょうか。

心理学に興味がある、スクールカウンセラーをやってみたいと思う方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。